基盤力

あらゆるデータとリソースを、自社の資産として残す。

ドメイン、Webサイトのソースコードとサーバー、広告アカウント、計測タグとアクセスデータ、顧客データ、そして施策の履歴といったデジタル資産を、自社の名義と管理下に置けているかどうかです。

基盤力とは?


ドメイン、Webサイトのソースコードとサーバー、広告アカウント、計測タグとアクセスデータ、顧客データ、そして施策の履歴といったデジタル資産を、自社の名義と管理下に置けているかどうかです。目立たない領域ですが、これが欠けていると、他の5つの力で積み上げた成果と知見が自社に残らず、支援会社や担当者が代わるたびにゼロからやり直すことになります。

一言でいうと

デジタル資産を自社の名義と管理下に置き、積み上げた成果と知見を自社に残す力。

この分野のよくある課題


代理店を切り替えようとしたら、広告アカウントが代理店のMCC配下にあり、過去の配信データと学習した最適化の履歴を引き継げなかった。GA4のプロパティ所有者が制作会社になっていて、権限変更を依頼するたびに時間がかかる。GTMのコンテナに誰が設置したか分からないタグが数十個入っていて、CVが二重計上されている。ドメインの更新通知が前任者の個人メールアドレスに届いていて、失効寸前で気づいた。サーバーのログイン情報を制作会社しか知らず、軽微な修正にも見積もりと数週間の納期が必要。

こうした状態は、企業規模を問わず、驚くほど多くの企業で見られます。関係者に落ち度があるわけではありません。「作ること自体が売上になる」「広告費に連動して手数料が決まる」という構造の中では、資産が事業会社の手元に残る形が、自然には選ばれにくいのです。

そして、この問題は「困ったときにしか気づかない」という性質があります。代理店を変えたい、サイトを移転したい、担当者が辞めた、という場面で初めて、自社が何も持っていなかったことが分かる。その時点で、過去数年分のデータと知見が失われています。

生成AIの時代には、もうひとつの意味が加わります。AIを自社のマーケティングに本当に活かせるかどうかは、AIに読ませられる自社データが整っているかで決まります。中小企業がAI活用の課題として挙げる上位は「専門人材・ノウハウ不足」「活用範囲が不明確」(帝国データバンク調査、2026年3月)ですが、その手前で、そもそも自社のデータがどこにあるか分からない、という企業が大半です。基盤力の差は、これから数年でAI活用の差として現れます。

解決方針


サイト、広告、計測、顧客データ、施策履歴のそれぞれについて、「自社名義で保有する」「どこに何があるかを一覧化する」「変更履歴を残す」という運用ルールを組織に実装します。

サイトであれば、ソースコードをGitHub等で自社管理し、サーバー構成とデプロイ手順をドキュメント化する。担当者がエンジニアでなくても、外部への発注や引き継ぎを自社主導で行える最低限の知識を持てるようにする。広告アカウントは自社のMCC・ビジネスマネージャ配下に置き、代理店には権限を付与する形にする。GA4・GTM・サーチコンソールの所有権を自社に置き、計測設計を文書化する。CRMや顧客リストを営業個人のExcelから組織の資産に移す。そして、施策の目的・経緯・結果を、担当者の頭の中ではなく、組織が参照できる場所に蓄積する。ひとつひとつは地味ですが、これができている企業とできていない企業では、3年後に手元に残るものがまったく違います。

私たちは、契約が終わったあとにすべてのデータと知見が事業会社の手元に残ることを前提に、この基盤づくりを支援します。

私たちがまず確認すること


  • 広告アカウント・GA4・GTM・ドメイン・サーバーの所有者が、すべて自社になっているか
  • 支援会社との契約を明日終了した場合、失われるデータと機能は何か
  • サイトのソースコードとデプロイ手順が、自社で参照できる場所に残っているか
  • 過去3年の施策と結果を、新しい担当者が1日で把握できる資料があるか

まずは、現状を可視化するところから。